Quantcast
Channel: Zooey's Diary
Viewing all 2157 articles
Browse latest View live

せめて語り継ぎたい「サラの鍵」

$
0
0
相変わらず週一本くらいの割合で
映画館あるいはDVDで映画は観ているのですが
どうしても感想を書きたい!と思うほどの作品には中々出会えない。
最近観てよかったものは「マネーボール」「ずっとあなたを愛している」「ハリー・ポッター最終章」
「キッズ・オールライト」「メアリー&マックス」あたりか。

昨日テアトル銀座で観た「サラの鍵」は
久しぶりに心を鷲掴みにされました。
300万部を売り上げたというタチアナ・ド・ロネの原作をジル・パケ=ブランネール監督が映画化。
第23回東京国際映画祭 最優秀監督賞、観客賞受賞
1942年7月、フランス警察はユダヤ人を一斉検挙し、ヴェルディヴ競輪場に連行した。
飲み水も食料もトイレすらないというところに1万5千人余りを数日間押し込める。
当時その競輪場の近くに住んでいたという老婦人の証言が悲しい。
(ユダヤ人が)連行された当初は騒音が酷くて窓が開けられなかった、
その次の日からは悪臭がすさまじくて開けられなかったと。



題名となっている少女サラは10歳くらいか。
警察が押し掛けてきたその日、とっさに幼い弟(5歳くらい)を納戸(クロゼット)に
隠し、鍵をかける。
すぐに帰ってくるから出ちゃ駄目、約束よと言って。
しかし検挙されたユダヤ人たちは競輪場から別の収容所へ、さらにアウシュビッツなどへと。
サラは寝ても覚めても弟のことを思い、遂には収容所からの脱走を図るのだが…



物語は現代のパリに住むジャーナリスト、
ジュリア(クリスティン・スコット・トーマス)の姿も並行して描かれる。
ヴェルディヴ事件を調べていたアメリカ人のジュリアは
フランス人の夫の義父の家が、そのサラが住んでいたアパートだと知る。
そして当時のことを徹底的に調べ始める。
1942年にアパートに移り住んだという義父の一家は
ユダヤ人が連行された後の家を着服したのではないか?
サラと弟のその後は?
平穏な日々を生きている現在の人々は当惑し、否定し、
ジュリアを憎悪さえする。
ジュリア自身、自分がしていることに迷いを感じ、
それに思いがけない妊娠と、中絶を望む夫とのすれ違いも絡んでくる。
ヴェルディヴ事件を公式に認め、謝罪したのはシラク大統領、
まだ近年のことなのです。
ナチスだけでなく、フランス当局もユダヤ人迫害に加担していたということを
私も知りませんでしたが、フランス本国でも若い世代は知らないという様子を
映画では語っています。



悲しい映画です。
一心に自分を慕う幼い弟を、助けるためのとっさの機転だったとはいえ、
鍵をかけて置き去りにしてしまった少女サラ。
肌身離さずその鍵を持ち歩き、命からがら脱走までして
アパートに辿りつき、ようやくその納戸を開けた彼女が見たものは…
サラの人生にも映画のストーリーにも救いはないが
最後の最後で、一筋の光明が射すようでもあります。
ジュリアが受け継いだ新しい命の存在によって。
過去の罪を消すことはできないが
せめてそれを知ること、語り継ぐことで、僅かな許しがもたらされる
ような気がします。

サラの鍵  http://www.sara.gaga.ne.jp/



クリスマス・ランチ@ホテル西洋銀座

$
0
0
ホテル西洋銀座は小さいながらも独特の雰囲気があって
私のお気に入りのホテルの一つです。
近年、シャングリラやペニンシュラ、リッツ・カールトンなど外資系高級ホテルが乱立して
食事やアフタヌーン・ティなどで一通り訪れていますが
そういったホテルにも負けないだけの存在感があります。
日本で初めてコンシェルジュサービスを導入したのもこのホテルなのだとか。

そこのイタリアン・レストラン「アトーレ」でランチを。
ここは気軽にパスタなど食べられる「カッフェ」とゆっくり食事を味わう「リストランテ」とに
分かれており、今回は奥の「リストランテ」で。
食事は中々に美味しかったのですが、照明が暗かったせいか
携帯で撮った写真は何故か全部ボケボケ(いつもはそこそこ綺麗に撮れるのに)。
仕方ないのでボケ写真の小さいのと
ホテルのHPからの写真を載せます。


胡麻をまぶした真鯛のカルパッチョ マジョラムとオレガノの香り

牡蠣のタリオリーニ 春菊のソース

フランス産ひな鳥のロースト バルサミコと黒トリュフのソース
フレッシュの洋なしを添えたキャラメルのムース
小菓子

小菓子といっても写真の通り山ほどあり、ここから好きなだけ頂けるのですが
この後映画を観ることになっていたので、残念ながら時間切れ。
ゆっくりすぎるサービスがこういう時には恨めしい。
隣のテアトル銀座の「サラの鍵」に駆けつけ、
観終わった後またホテルに戻り、ラウンジ「プレリュード」でお茶を。

ここのラウンジも何処かの邸宅の居間のような雰囲気で
小さいながらもくつろげる、贅沢な空間なのです。
映画でほてった頭を喋り倒して冷やすには最適。
なおこの日は私、大学時代の女友達2人といたのですが
「アトーレ」で先週の忘年会で会ったばかりの高校の女友達に遭遇するという
楽しいオマケもついたのでした。

ホテル西洋銀座 http://www.seiyo-ginza.co.jp/

貧乏人のパエリヤ

$
0
0
連休は家事と掃除に明け暮れました。
夫も次男も珍しくずっと家にいたので。
我家の男たち、なんで何もしないのにおなかは空くのか!?
まあ普段はいないのだから、たまには仕方ないか…
一番喜んだのはタロウかもしれない。
夫や次男に名前を呼ばれる度に
どっちに行こうかと焦って、フローリングの上で空回りしている。
尻尾を振りまくり、ああボクどうしたらいいの!?とパニック状態、
バタバタクルクルと廻っている。
それを面白がって、二人で同時に呼んでみたり…

タロウのクリスマス・プレゼント

普段はもっぱら和食の我家ですが
やはりこの週末は洋食なども。
クリスチャンではないのだから特に御馳走を作る気はありませんが
息子たちが小さい頃は、そういえばチキンやケーキも焼いていたなあ。
パエリヤというのは日本人にはそんなに馴染みがないので
以前は私も作るとなるとちょっと構えていたのですが
スペインに行ってそれが払拭されました。
何しろ向こうにはありとあらゆるパエリヤがある。
チキンのパエリヤ、魚介のパエリヤ、貧乏人のパエリヤ(つまり野菜だけ)など。
とにかく冷蔵庫にあるものとお米を使って
ニンニク、白ワイン、ブイヨン、サフランで仕上げればいいのだ、と
私も気軽に作るようになりました。

エビ、イカ、ムール貝、アサリ、白身魚、ウインナ、ブッロコリーのパエリヤ。
クラムチャウダー。


クレソン、セロリ、ゆで卵、生ハムのサラダ。



ついでにキッチンの大掃除。
ガス周りにはつい調味料など置いてしまうのですが
一掃して磨きあげました。
やればできるじゃん、私。
この先も置かないようにと自戒の意味で写真を載せます。

肌のぬくもり

$
0
0

昨夜、家事をしながら観ていたテレビ番組「ナニコレ珍百景」で
可愛い画像に釘付けになりました。
田舎の民家の軒先で、柴犬のような犬と猿が仲良く遊んでいるのです。
犬の上に猿が乗ったり、毛づくろいしたり、舐め合ったり。
本当に楽しそうに。

この猿は、山から毎朝、遊びに来るのだそうです。
ひとしきり遊ぶとまた帰っていく。
”人を警戒していて人の気配があると近づいて来ないというこのサルは
ドッグフードなどの食べ物には目もくれず、ただリュウくんに甘えている。
おそらく、この付近の山で家族と共に暮らしていたが、家族とはぐれて
さまよっていた時に、生まれて初めて犬のリュウくんと遭遇し、
興味を引かれて近づき、リュウくんもサルを受け入れたことから
大の仲良しになったと考えられる。”
http://www.tv-asahi.co.jp/nanikore/contents_pre/collection/110629.html

可愛いなあ。
今年話題になった京都の動物園のウリボウと子猿や


熊本県の牧場の犬と野生の子猿のように

(こちらに書いています)
http://blog.goo.ne.jp/franny0330/e/ff185f7dde8100a092752a198b199053
母親とはぐれた赤ちゃん猿が、母代わりに他の動物に懐くことは知っていましたが
大人になっても遊ぶんだ…

「大人になっても遊ぶ動物は人間だけ」などと言った識者がいましたが
我家のタロウだって一応大人ですが、毎日遊んでいる。
ボールや人形を持ってきては私の足元に置き、
投げて!隠して!と訴えて尻尾を振って待っている。
隙あらば人にくっつこうとしていて
今もPCに向かっている私の膝の上に乗っている。
一人ぼっちになった鳥取の猿も、さぞ寂しいのでしょう。
そりゃ肌のぬくもりが恋しくなるよねえ…

限られた時間

$
0
0

あけましておめでとうございます。
元旦が日曜日なので、帰省は次の週末の三連休ということにして
マンションでのんびり過ごしています。
今年はもう悲しいことが起こらないようにと
祈るように迎えた新年でした。
そうしたらいきなり震度4の地震が…

さて、クリスチャンでもないのにおこがましいのですが
アメリカ人の牧師さんのsermon(お説教)の翻訳のお手伝いをさせて頂いて
もう何年にもなります。
去年の暮れに手伝った、新年最初の挨拶は
"The new year is a time of hope,isn't it?
it is a chance to put the past year behind us and make a new start."
(新年は希望に満ちているときですね。
過ぎ去った一年間を忘れて、新しいスタートができるときです)
で始まりました。
そして、新年にあたって心に留めておいて欲しいことの一つとして
"Our time on this earth is limited."(地上での人生には限りがある)
とおっしゃっている。
それを実感させる例として、Deathclock.com(http://www.deathclock.com/)というサイトを紹介されています。



このサイト、私は初めて見たのですが驚きました。
自分の歳、性別、BMIなどを入力すると、デジタル時計がスクリーンに出て来る。
それは、私が死ぬとされる日までのカウントダウンを表しているのです。
BMI(体重と身長の関係から算出される体格指数)がよくわからなかったので
適当に入れたら、私のその日は”Saturday, June 11, 2039”と出ました。
無論この例はお説教の導入部に過ぎなくて
その後、聖書の引用そして
"Our life and our time are gifts from God and we need to use them wisely."
(私たちの人生も時間も神様から頂いた貴重な贈り物ですので、それらを賢く用いるべきです)
と続くのですが…

私はこのDeathclockにすっかり心を奪われてしまったのでした。
こんな少ない情報(しかもそれすらも正しくない)から何が分かるかとも思うし
しかもその日までまだ30年近くあるというので、まったくピンと来ないのですが
自分の残り時間が限られていることは確かな事実なのだから。
この一秒一秒刻まれるデジタル時計は、そのことを改めて知らせてくれるような気がします。
新春から縁起でもないとも思ったのですが
去年のあの未曾有の大震災を経験した私たちは
こんなサイトがあることを知ってもいいかもしれない。

本年もどうぞよろしくお願いします。

小さくて可愛いのだけど…

$
0
0

昨日、携帯を買い換えました。
外出中にもネットが自在に操れるスマートフォンがもうずっと欲しかったのです。
前の携帯はもう数年使っていたものなのでネットの動きがとても遅いし、
カメラ機能が非常にお粗末。
その他の点では小さくて使いやすくて、とても気に入っていたのですが…
(廃棄する前に記念に写真を残します)

しかし、息子たちが何年も前から使っているiphoneをたまに使わせて貰っては
タッチパネルのやりにくさに挫折していました。
使ってりゃ慣れるよ、と息子は言うが
どうにもこうにもやりにくい。
私はジェル・ネイルをしているので爪が気持ち長目であり
そのせいもあるかもしれない(タッチパネルは爪には反応しない)。
こんなに使いにくいものを買って
たかが携帯くらいでまたストレスを増やしたくない。
スマホは大きいし、片手で操作できないし。

という訳で中々買えずにいたのですが
ソフトバンクから最近新しいのが出た!
スライド式テンキー搭載の防水コンパクトスマホ「AQUOS PHONE THE HYBRID 101SH」。
”スマホとフィーチャーフォンのいいとこ取りともいえるAndroid端末
従来ケータイからスマホに乗り換えを検討している人には、有力候補の1台といえる”
やったあ!これなら私にも使えるかも。
と、色々訊くことができる息子たちのいる、お正月に買ったのでした。
(ソフトバンク・ショップが年中無休であることにも驚きましたが)


そうしたら…
字が小さい!
画面によっては拡大ができるのですが、できないものもある。
例えばmixiの画面はまったく拡大できない。
文字の大きさを最大にしても、小さくて薄くてソバカスのような文字の羅列。
こんなのメガネしたって読みにくい…
撮った写真などが保存されるマイクロSDカードの取り外しにも一苦労。
本体の裏カバーを外して(これがまた外しにくい!)
バッテリーを取り出さないと外せない。
おまけに携帯を変えた途端、来るわ来るわジャンクメール。
”お金を持て余しているヒマなおじさん”や”体力自慢の若いボク”や
”ちょっと寂しい年頃のアタシ”から御誘いのメール来まくり…
機種変更でアドレスは変わってないのに何故!?
おまけに息子たち、一度教えてくれたことは二度と教えてくれない。
しかも今のスマホって取扱説明書もついていないのですね。

ネットの動きは確かに素晴らしいが…
今のところ、前の携帯の方がずっとよかったなあ。
こんな使いにくいものをいつか使いこなせる日が来るのかしら?

AQUOS PHONE THE HYBRID 101SH
http://mb.softbank.jp/mb/smartphone/product/101sh/feature/

タロウの実力

$
0
0
だから私は嫌だったのです。
タロウを連れて帰省することは。

この三連休、岐阜に帰省していました。
我家の次男は大学生なのですが国家試験を目指していることもあって中々忙しく、
我々夫婦が帰省したり旅行したりするときは
いつも留守番がてら、タロウの世話を引き受けてくれていたのでした。
ところが今回久しぶりに一緒に行くことになり、
となるとタロウも連れて行かなければならず、
夫は、可愛いタロウをみんなに見せびらかせると大張りきり。


しかし3年ほど前に連れて行った時、
タロウはトイレを失敗しまくって、大顰蹙を買っていたのでした。
タロウは普段、マンションのベランダでトイレをしているのです。
催すとリビングの掃き出し窓のところに行き、開けてくれと促し、
外に出て用を済ませてくる。
しかし岐阜は、夫の実家も私の実家も一戸建てなので勝手が違う。
しかも興奮しやすいタロウ、みんなに構われて夢中で遊んでいるうちについその辺で…
なので私は、できたら預けたかったのです。


しかし夫は言い出したら聞かないし、タロウは散歩で用をすますことも多いので
まめに外に連れ出せばなんとかなるだろうと。
結果は…
夫の実家の仏壇の前でオシッコ。
私の実家の応接間のトルコ絨毯の上でオシッコ。
挙句にみんなで食事に出かけている間、メッシュのハウスに
タロウを入れて留守番させておいたのですが
それを噛み破って脱走、留守宅で場外乱闘。
夫の叔母の家では高価な花瓶を割ってくれ、
もう散々だったのでした。


私は謝りまくり片付けに追われ、
露骨に責められはしないが微妙な雰囲気を感じ取って、夫はしょんぼり。
二泊三日じゃ短すぎてタロウの実力は出せなかったなと。
実力も何も…w
デキが悪くてもウチの子なら可愛いが、デキの悪いヨソの子が可愛い訳ないじゃないの。
タロウは我家では家族の一員だけど
ヨソの人にとっては只のワンコロに過ぎないのだから。
これで当分は、タロウを連れて行くなどと言い出さないでしょう。

意外性の面白さ@ラ・バリック

$
0
0
今まで私が行った名店と言われるレストランの中で
立地条件から言ったらここはワースト1なのではないか。
銀座でも青山でも白金でもない、江戸川橋。
都内あちこちに出没している私でも、降り立ったことのない駅。
なんでこんなところに?と思ったら
オーナーソムリエの坂田氏の御実家を改装して造ったお店なのだそうです。
マンションの駐車場を抜けると、築60年という古い日本家屋。
こんなところで、しかもまだできて数年だというのに
予約が中々取れないほどの人気というのだから面白い。

ここに行ってみたいと思ったのは
あの天才ピアニスト辻井伸行君の母上である辻井いつ子さんが
イタリアンならここ!と婦人画報の誌上で太鼓判を押されていたから。
余談ですが、私はこの人の子育てについての本を少しばかり読んで
全盲の伸行君の小さな頃から美術館に連れて回ったというくだりなどに感動したのでした。
赤ちゃんの時におもちゃのピアノで「キラキラ星」を弾いたという伸行氏の才能は凄いけれども
それを引き出したのは間違いなく、この母上なのだろうなあと。

「シェフお任せのコース」
ミニホットドッグ
松葉蟹の腸詰め
サーモンの巻き物
イカスミのリゾット
ビゴール豚のロースト
リンゴの冷製スープ 
小菓子、コーヒー

最初のアミューズのホットドッグは、2,3センチのミニサイズ。
蟹の腸詰は、ふんわりと海の香りが漂う面白いソーセージ。
メインのビゴール豚のローストは鮮やかなピンク色で
非常に柔らかく、甘く、コクがあって美味しい。
豚肉の塊をどうしたらこんなに生っぽく柔らかく、ジューシーに仕上げられるの?と訊いてみたら
低温のオーブンで一時間ほどかけて焼き上げたのだそうです。
リンゴのスープは、リンゴのゼリーとシナモンのジェラート添え。

店内写真は「食べログ」から

日本家屋に土足のままでと言われて最初ぎょっとしました。
和室に無機質な白のタイルを敷き詰め、さらに赤い絨毯を。
透かし彫りの欄間や床の間を残しながら、イタリア製の椅子を配置。
障子が入った窓とリチャードジノリの食器とのアンバランスさがなんとも面白い
あえて言わせて頂くなら、最初のアミューズはきっと意外性を狙ったのでしょうが
小食の私には不要だったかな。
建物から食材からメニューから、
アンバランスな組み合わせの面白さを堪能したひとときでした。

ラ・バリック http://www.labarrique.jp/top.html

焼き立ては美味しい!

$
0
0
ホームベーカリーを買いました。
我家は和食が圧倒的に多いのですが
たまにシチューやポトフなど作るときには、やはりパンの方が合う。
あるいはゆっくり起きた休日の朝、焼き立てのパンがあれば
こっくりしたスープ、サラダを合わせれば美味しいブランチになるのではないか。
という訳で、しばらく前からネットで口コミなど見ていたのでした。

サンヨーのGOPANが、お米からパンができるというので有名になりましたが
如何せん、我家のキッチンに置くには大きすぎ。
それにどうせ、ほぼ毎日お米を炊いているのだから
何もパンまで米から作ろうとは思わない。
ティファールのバゲット型フランスパンができるというのにも惹かれましたが
やはり大きすぎて却下。
結局、コンパクトなパナソニックの一斤型に。


パンというのは昔作ったことがありますが
非常に手間も時間もかかるのです。
こねたり丸めたり一次発酵させたりガス抜きしたり二次発酵させたり…
ここまで手をかけても、最後に焼くときに失敗してしまったり。
それを、材料さえセットすれば、機械が全部やってくれるのですから。
その材料も食パンMIXを買えば、小麦粉、塩、イースト菌など全部セットされています。
フランスパンMIX、全粒粉MIXなども出ています。
(この画像はネットから)

材料をセットしてスィッチを入れると
グワン、グワンとこね始め、静かになったと思ったらまた動き出し…
パンが焼きあがるいい匂いがして、4時間ほどかけて焼き上がります。
この機械はレーズンやナッツを入れる別口があり、
レーズンパンやくるみパンも思いのまま。
写真は、フランスパンMIXにレーズンを入れたもの。
(熱すぎ、柔らかすぎて薄くは切れない)
焼き立てはやはり格別の味がして、一斤のパンは家族三人ですぐになくなります。
普通の食パンを一斤買っても中々なくならないのに。
夜セットして休めば、朝、パンが焼ける匂いと共に目覚めることができます。


一つ残念だったのは、私が買った型はお餅が作れないこと。
買う時に、うどんやパスタもできるという多機能型も勧められたのですが
私はパンを焼きたいのであって、麺類まで作る気はないからとシンプルな方を買ったのです。
お餅までは気が廻らなかった。
つきたてのお餅は美味しいのにしまったと、
このお正月に気がついたのでした。

パナソニックホームベーカリー SD-BH104
http://ctlg.panasonic.jp/product/info.do?pg=04&hb=SD-BH104

静謐な佳作「ヤコブへの手紙」

$
0
0

去年、劇場で見逃した単館映画。DVDで観賞。
フィンランド・アカデミー外国語映画賞代表作品。

小さな、静かな作品です。
登場人物はたったの三人。
盲目の老牧師、刑務所から恩赦で釈放された元女囚、そして郵便配達人。
BGMも、雨だれのような静かなピアノ曲のみ。
これだけの材料で、これだけ人の心を打つことができるとは。


1970年代のフィンランドの片田舎。
白樺に囲まれた、雨漏りのする粗末な牧師館。
教会を訪れる人ももはやおらず、日曜日のミサも結婚式もない。
引退した老牧師ヤコブと外界とのつながりは、悩みを持つ人からの手紙だけ。
そこに、手紙の代読と返事の代筆の役目を担ってやってきた元終身犯レイラ。
この女が、呆れるほどにふてぶてしい。
鈍重という言葉がピッタリの体格と態度で、ニコリともしない。
神も信じず人間も信じず、誰にも心を開かない。
たったひとつの仕事すらも嫌がり、牧師に来た手紙をこっそり捨ててしまうほど。
やがて牧師への手紙が届かなくなり…


「人々のために祈ることが使命だと思っていたのに。私はもう必要とされていない。」
とうなだれる牧師に
「だったら祈るのをやめればいい。自分のために祈っていただけでしょ。」
と言い放つレイラ。
なんでももう少し優しくしてあげないの!?と
観ている側には、レイラが憎らしくさえ思えます。
それでも毎日、郵便配達人が来るのを待ち続ける老牧師が悲しい。

そして奇跡が訪れる。
頑なに閉ざされたレイラの心が、ある日静かに溶かされるのです。
手紙などないのに、あるように装って読むふりをするレイラ。
しかし老牧師は、それにすぐ気がついたのでしょう。
静かに席を立とうとするが
その時レイラの口から語りだされた真実とは…

奇跡は、ただ降ってわいたのではない。
牧師ヤコブの真摯さと善良さが、頑なだったレイラの心を溶かしたのです。
そしてそれによって救われたのはレイラだけではなく、
老牧師でもあったという奇跡。
悲しい結末ですが、そこには確かな救いがあります。

低予算でも人を感動させることはできるという
見本のような映画です。

ヤコブへの手紙 http://www.alcine-terran.com/tegami/

憎しみの連鎖「灼熱の魂」

$
0
0


カナダ・フランス映画、 ヴェネチア国際映画祭最優秀作品賞。
レバノン出身の劇作家ワジ・ムアワッドの同名戯曲をドゥニ・ヴィルヌーヴ監督が映画化。
映画を観る理由の一つが、異文化に触れたいということだとしたら
この作品は確実にその願望を叶えてくれます。
イスラム世界では女性の立場は家畜のそれよりも低いとか
レイプされた女性が法的に罰せられる、或いは親族に殺される現実とか
中東における宗教の対立がどれだけ凄惨を極めるかとか
ニュースで見聞きすることはあっても、平和な世界に住む我々にはまるでピンとこない。
それが映画の画面ではこともなげに展開され、
観る側は言葉もなく受け止めるしかないのですから。

カナダのケベック州でアラブ系移民の女性ナワルは発作を起こし、
双子の娘と息子、ジャンヌとシモンに遺書を託してこの世を去る。
それは子どもたちが聞いたこともない、兄と父親を探して手紙を渡せというもの。
二人は当惑しながらも中東に渡り、母親の人生を辿り始める。
それは想像を絶する過酷なものだった…


かつて異宗教の男と恋に落ち、その子を身ごもったというだけで
うら若き娘ナワルは、身内の男に殺されそうになる。
かろうじて彼女の祖母に助けられるが
その祖母も、一族の名誉を汚してくれたとしてナワルをののしり倒す。
赤子を産み落とすや否や、その子は連れ去られ、ナワルも家から追放される。
ここまではイスラム社会にはよくあることでしょうが
(といっても彼女とその家族はキリスト教なのですが)
40年後にナワルの娘ジャンヌが、母の生まれ故郷を訪ねた時の
村の女たちの反応が凄い。
ナワルの名前を出した途端、遠方よりはるばる来たジャンヌをさげすみ、
その女の関係なら歓迎することはできないと追い出してしまうのです。
現代に至ってもなお。

その後キリスト教ゲリラに襲われ、虐殺現場から命からがら逃げ出したナワルは
手放した子どもも殺されたと思いこみ、絶望感からイスラム系テロリストに身を転じる。
敵方のリーダーを暗殺するも、地獄より酷いと言われる刑務所に入れられ、
15年に渡って拷問を受ける。
そこで彼女が受けた拷問とは…
人間はここまで残酷になれるものなのか。
母親の人生を辿るうち、結局自分たちの恐ろしい出自と向き合うことになる二人。


名誉殺人、異宗教間の対立(つまり殺し合い)、幼い子供への洗脳(テロリストとして育てるため)、
拷問、レイプ、近親相姦。
人間の暗部がこれでもかと画面に突きつけられる。
その凄惨さを監督が我々に訴えたかったとしたら
それは成功していますが
そのためにここまで残酷な話を作り上げなくてはならなかったのかという疑問は残ります。
「憎しみの連鎖を断ち切るため真実を知らせたい」というナワルの人類愛は立派ですが
双子の子どもたちに対する彼女の母性愛はどうなのだ?と思ってしまう。
私だったら、あんな恐ろしい秘密は墓場まで持って行くでしょう。
平和なカナダ市民として育った双子は、あの驚愕の真実をかかえてこの先、
まっとうに生きていけるのだろうか…!?

場所や時代ははっきりとは書かれませんが
これはレバノン内戦が舞台であるらしい。
レバノンというのは中東においては珍しく、国民の40%がキリスト教なのですね。]
原題の”INCENDIES”はフランス語の“火事”“感情の爆発、動乱、戦乱”という意味らしい。
「灼熱の魂」とは上手くつけたものです。
あまりにも偶然が重なってでき過ぎの話、という鼻につく点もありますが
それをさし引いても余りある迫力の、壮大な大河物語です。
2時間10分、息をつく暇もありませんでした。
しかしこれ、東京中で日比谷シャンテシネ一館のみの上映です。

「灼熱の魂」 http://shakunetsu-movie.com/pc/

フランスで最も美味しいチョコレート

$
0
0
昨日の映画があまりにも暗くて重かったので
その後、友人と言葉もなく銀ブラしたのでした。
銀幕では血や涙や銃声や断末魔の声が飛び交っていたのに
冬の陽射しが柔らかい午後の銀座は、のどかで明るくて…
そういえば先週「フランスで一番美味しいチョコレート」のショップが
銀座にオープンしたってニュースに出てたっけ。

”フランスで最も美味しいと称されたチョコレートブランド「Joel Durand」(ジョエルデュラン)が
東京・銀座に日本における本店をオープンした。
チョコレートには、プロヴァンスで採れた最高級の天然素材を使用。
1粒1粒に合計5日間かけて手作業でつくられるため、
生産量にも限りがある希少な製品となっている。”(ニュースより)
しかしフランスで一番おいしいって誰が決めたんだろう?

ブラブラ歩きながら行ってみると、ありました。
「ジョエルデュラン」、ピエール・マルコリーニのすぐ隣に。
正確に言うと、その間にもう一つ入口が。
入ってみるとそこは、”創業110年の仏チョコレート店「イルサンジェ」(Hirsinger)の
世界初の支店”なのだそうです(店員さんの話)。
赤を基調とした、宝石店のようなチョコレート・ショップ。
聞くと、ジョエルデュランと系列は同じだが別物で、こちらの方が高級なのだと。
確かに、ウィンドウの中に宝石のように煌めくチョコレートは一粒が600円から。
何も有名チョコレート店が三軒も並ばなくてもいいのにw


隣の「ジョエルデュラン」はラベンダー色を基調としたもう少しポップな感じの店で
こちらは一粒400円から。


せっかくなのでそこの2階のカフェでお茶をしました。
カフェラテとチョコレート一粒で千円。
私が選んだのは塩キャラメル、友人が選んだのはスターアニス。
ほんの少しずつ味見をしてみると
スターアニスって要するに八角のことじゃないの…
煮物に入れると、薬臭くなるからやめてくれ!とウチの家族が嫌がる、
八角味のチョコレートだったのでした。


仏で最も美味しいチョコレート銀座に出店
http://www.fashionsnap.com/news/2012-01-12/joel-durand-ginza/

そして一人残された

$
0
0
地震国であるということは自明の理であるのだから
想定外という言葉は使ってはいけないのかもしれない。
避難場所も決めていなかったということは
多くの命を預かる学校としては、責められても弁明できないだろう。
あんな極限状態の中でのこと、仕方ないじゃないのかと思う一方、
私がそこで命を奪われた子どもの親だとしたら
やはり訴えずにはいられないのだろうかとも思う。

しかし、このたった一人生き残ったという教諭の手紙は
あまりにも切ない。
あの時死んでしまった方がどんなに楽だったかと
日々思われているのでしょうね。
その後体調を崩して休職中というのも、無理ないことなのでしょう。

”東日本大震災の津波で児童74人、教職員10人が死亡・行方不明となっている宮城県石巻市立大川小学校の保護者に対し、石巻市教育委員会は22日、約7カ月半ぶりに説明会を開いた。同小の柏葉照幸校長は「職務上の怠慢があったと言われても仕方がない。本当に申し訳ない」と謝罪した。大川小の被災を巡って市教委が明確な謝罪をしたのは初めて。教諭の中で唯一生き残った男性(休職中)が昨年6月、保護者と柏葉校長あてに書いた手紙の全文も初めて公表され、避難時のやりとりの一部が明らかになった。”

<東日本大震災>校長「怠慢」と初の謝罪…大川小で説明会
http://mainichi.jp/select/today/news/20120123k0000m040118000c.html?inb=tw

遊びをせんとや

$
0
0

自分を一心に慕ってくれる小さな生き物と一緒に寝るのは
心地よいものです。
特に冬は。
犬は人間より体温も高いし、タロウはロングコート・ダックス(長毛種)なので
ふさふさの毛皮に包まれた湯たんぽのようなものです。
冬は家族間で、このふさふさ湯たんぽの取り合いとなります。

この湯たんぽ、布団の中に潜ってきて自分の定位置を探すのです。
夫の股間が一番のお気に入り。
これは多分、タロウが夫を家長として認めていることと、
一番暖かいからじゃないかと私は見ているのですが。
次に、次男の肩口。
次男のことは多分、同列の友達と見ているのじゃないかな。
腕枕して貰って、気持ちよさそうに寝ています。
そして私のおなか。
横向きに寝る私の、そのおなか側に抱かれるように丸まって寝るのです。
私が反対側に寝返りを打つと、身体をよじ登ってタロウも移動する。
背中側じゃやはり寂しいのか。

冬はこのように布団の中にすっぽり潜って寝る軟弱犬ですが
これが雪が降ると豹変する。
一昨日の夜、首都圏は雪に包まれました。
遅くに降り出した雪はあっという間に積もって
午後11時過ぎには、窓の外は真っ白になっていました。
この冬初めての積雪は4?となり、これは6年ぶりなのだそうです。

12時近くに降りしきる雪の中を、次男がタロウを連れて近くの公園に。
タロウ、犬の本能を忘れてなかったのか、雪には大喜びなのです。
雪の中を放してやると、狂ったように走り回るのですが
昼間はそんなことできない。
なので夜中に行こうと思ったらしい。

いかにタロウが喜ぶといえど、雪が降りしきる寒い夜間、
真っ暗な公園で遊ばせてやるなんて私にはとてもできない。
息子は普段、タロウの世話なんてまったくしないのですが
たまにこういうことをしてやるから
タロウは次男にべったりなのです。
その場を見た訳ではありませんが
大学生の次男も一緒になって走り回ったのではないか。
まったく男っていくつになっても…w

30分ほども遊んで、双方ずぶ濡れになって戻ってきました。
熱いお風呂に一緒に入って温まりましたとさ。

「このツケは払わせる」

$
0
0

アンナミラーズの横浜ランドマークプラザ店が閉店、ついに
ウィング高輪店のみになってしまったのだそうです。

18歳で地方から状況したばかりの頃、
青山にあったアンナミラーズは結構眩しい存在でした。
スペアリブ専門店のトニー・ローマと並んで
映画やTVドラマでしか見たことのないアメリカがそこにあったのですから。
ハンバーガーやフライドポテト、アメリカンクラブハウスサンド、
アイスクリームがてんこ盛りに添えられたアップルパイ。
あの超ミニの制服は私にはどうでもよいのですが
生クリームが溢れんばかりの巨大なパイ!
今でこそ珍しくもなんともないのですが
ケーキといえばショートケーキやモンブランだったあの頃としては
画期的な存在でした。
私はあそこのチョコバナナパイが大好きだったのに。
今は昔、という感があります。


アンナミラーズが1店舗のみに 横浜ランドマークプラザ店が閉店
http://nlab.itmedia.co.jp/nl/articles/1201/24/news031.html



ついでにネットのニュースから。
「豪華客船事故で逃げ出した船長叱った沿岸警備隊長が人気」なのですって。
”1月13日イタリアで起きた大型客船の座礁事故で、真っ先に逃げた船長を叱責した沿岸警備隊隊長が人気を集めている。
17日に船長と沿岸警備隊の事故当時の通話記録が公開され、グレゴリオ・デファルコ隊長が「船を見捨てたのか」「このツケは払わせる」「船に戻れ、畜生!」と船長を厳しく叱った様子が明らかになった。この会話が公開されて以来、隊長は「英雄」として人気を博し、「船に戻れ、畜生!(#vadaabordocazzo)」はTwitterのトレンドワードになったという。”

日本のニュースでは「畜生!」という言葉までは出なかったような…
しかしあの乱暴なやりとりを聞いて胸がスッとしたのは、世界共通だったのですね。
笑ってしまいました。



豪華客船事故で逃げ出した船長叱った沿岸警備隊長が人気 Facebookにファンページ 
http://nlab.itmedia.co.jp/nl/articles/1201/19/news032.html#l_ah_ship1.jpg

写真はネットから

冬の京都?

$
0
0
この週末、京都の結婚式に招かれた夫に便乗して
土日月と冬の古都に久しぶりに行って来ました。

一日目の午後、夫が結婚式に出ている間、
私は京都在住の友人に京案内をして貰いました。
三十三間堂、正式名称蓮華王院本堂。


私は何年ぶりだったのだろう。
細長く薄暗い堂内に、千手観音坐像を中心に1001体の千手観音立像が
立ち並んでいる様は只々圧巻。
ただ、それぞれの頭上に11の顔と40本の手があるという観音像の
その千体もの集まりを、一体どうやって掃除するのだろう?と
主婦ならではの疑問を持ってしまいました。
モノは置いておけばすぐに埃だらけになるのに。
それが何百年もの間、立錐の余地もなく、びっしりと並んでいるのですから。
手入れのしようがないじゃないの…
撮影禁止なのが至極残念。
(この画像はネットから)

次に隣の智積院に。


後でパンフを読んで知ったのですが、
ここは真言宗智山派の総本山だったのですね。
しかも戦国時代の昔から、真言教学を学ぶ学問所として隆盛したのだそうです。
道理で頭を青く剃った、若い人がいっぱいいたんだ。
寒いお寺の中で、薄い作務衣のようなものを着て
裸足で休むことなくクルクルと働いている。
広い境内の隅々までが綺麗に掃き清められ、磨き上げられている。
何処もかもが開け放され、夏は心地よいのでしょうが、冬はしみじみと寒い。
自分だけコタツでこっそりヌクヌクしたいなんてこの人たちは思わないのかなあ?
偉いなあ…と息子の母としてはつい、母親目線で見てしまいます。


ここはまた、日本を代表する障壁画、季節毎の美しい画が有名なのだそうです。


広いお寺を歩き廻って身体が冷え切ったところで
近くの甘味処の「甘春堂」で、暖かいぜんざいと抹茶を。
あのお寺の若いお弟子さんたちは、普段はこんな骨休めもできないのかしらなどと思いながら
友人との会話を楽しんだのでした。

冬の京都?

$
0
0
日曜日は晴れ時々曇り、さらに時折雪。
まずは金閣寺へ。


金閣寺なんてベタすぎると私よりは京都通の夫は嫌がったのですが
久しぶりに行ったらやっぱり素晴らしい。
青い空、湖面に浮かぶ眩いばかりの金閣寺。
只この時、圧倒的にパワフルな中国人の団体観光客に囲まれ、
殆ど自分が異邦人のような感覚に…



金閣寺から竜安寺に向かう途中、道を訊かれたベルギー人女性イルスと
一緒に行くことに。
シンガポールで仕事をしている彼女、一週間だけ東京に出張、
その間の週末に京都に遊びに来たというタフな女性。
お喋りしながら広い竜安寺を巡り、結局その後の仁和寺も一緒に。
しかし改めて外国人に訊かれると、私の英語では答えるのに苦労する質問の
なんと多いことか。
祇園で多く見かけた綺麗なゲイシャはどんな仕事をしているのか?
ゲイシャとマイコはどう違うのか?
誰が彼女らを雇って、幾らくらい払っているのか?
ゲイシャになろうとしたら幾つくらいからその道に入り、
どんなことが要求されるのか?
…すみません、ゲイシャの給料については知りません。


竜安寺のあの有名なつくばい「吾只足知」について訊かれたらどう答えよう?と
ひそかに心配していたのですが
お寺のパンフに英語で書いてあって助かりました。
備忘録として書きとめておきます。
"I learn only to be contented."He who learns only to be contented is
spiritually rich, while the one who does not learn to be contented is
spiritually poor even if he is materially wealthy."
しかし随分くどい説明です。
「 われただ足るを知る」
日本語で9文字、漢字だとたった4文字なのに。


湯豆腐料理を食べて、タクシーで嵐山へ。
渡月橋の上は雪交じりの風が吹きすさび、地獄のような寒さでした。
天竜寺の法堂天井には縦10.6m×横12.6mという大きな「雲龍図」が。
八方睨みと言われるだけあって、このお堂の何処から見ても睨まれているようです。
こんな怖い龍は初めて見ました。
ここも撮影禁止なので、ネットから頂いた写真です。

http://www.tenryuji.com/unryuzu/

冬の京都?

$
0
0
月曜日も薄ら寒い曇り空、時おり小雪が舞っていました。
いっそ積もれば綺麗なのに、寒いだけ寒くてちょっと損した気分。

朝10時からの参観を予約してあった桂離宮に。


ここは17世紀に八条宮家(桂宮家)の別荘として造営されたものだそうです。
書院、茶屋、回遊式庭園からなり、7万平方mにも及びます。
10人ほどの見学者が集まり、予定時刻ぴったりに参観がスタートしました。
(ハイシーズンにはこれが40人ほどに膨れ上がるのだそうです)
グループに1人ずつガイドがつきます。


ここは、一言でいえば「月を観るため」に造られた離宮なのだそうです。
池に浮かべた船から、茶室から、庭園から
そのための仕掛けが至る所で為されているのだそうです。
月を観る、それだけの為にこれだけのものを造り上げた昔のお公家さんの
その典雅さ、贅沢さに思いを馳せない訳にはいきません。
”1933年にドイツから亡命したブルーノ・タウトは「泣きたくなるほど美しい」と絶賛し、
装飾を排した簡素な建築美はモダニズム建築の造形美にも通じるとして評価された”
のだそうです。(Wikiより)


今まで廻ってきた神社仏閣と圧倒的に違うのは
とにかく人がいないこと。
1時間毎に1グループしか入れないというのだから当然なのでしょうが。
おかげで静寂の中で、心ゆくままに楽しむことができました。
事前に、しかも随分前に申し込みをしなくてはならないというのは
何と面倒なのだろうと思っていましたが
こんなに繊細な美を保存するためには仕方ないのかも。


そこからタクシーで伏見稲荷へ。

ここは子どもの頃行ったきりで、裏山に何処までも不気味に伸びる赤い鳥居の道、と
いうイメージを私は持っていたのですが
今回行ってみたら、そのイメージのままでした。
あの果てしなく続く赤い鳥居、「千本鳥居」と呼ばれているようですが、
あれ一体何本あるのでしょうね?
石段は、私は歩きながら七百段までは数えたのですが…

ネットで検索してみたら「伏見稲荷大社の鳥居の数を数えよう」という
サイトを見つけました。
http://fleshwords.web.fc2.com/jikken/ji25_1.htm
そのサイトによると、2010年2月の時点で3381本なのだそうです。
世の中にはヒマな、いえ奇特な方がいらっしゃるものです。

「日本を幸せにするスィーツ100選」

$
0
0
婦人画報3月号の特集「日本のスィーツ100選」。
トップバッターは銀座千疋屋のメロンショートケーキ。
美味しそうな一面アップの写真とともに紹介されています。
はて…?
私は千疋屋のフルーツパフェやフルーツサンドが大好きで
以前行っていたものですが(そういえば最近行ってません)
メロンのショートケーキなんてあったっけ?
「千疋屋 ケーキ 画像」で検索してみたら、22ページにも渡る画像が出てきましたが
メロンショートケーキの写真は何処にも見つかりません。
婦人画報の記事をよく読んでみたら、このケーキはあまりにも柔らかくて壊れやすいため、
店頭ではホールでのみの販売とあります。
そして6号ホールで18,900円。


これじゃあそうそう買えないよねえ…
かつて桐嶋洋子が「聡明な女は料理がうまい」という本の中で
日本の高級牛肉の値段を指して"insult someone's intelligence"(人の知性を侮辱している)
というような表現を使っていたように思うのですが
ケーキひとつに二万円弱なんて。
人をバカにしている!
私には買えませんわ…


No.2は神田淡路町の近江屋洋菓子店のいちごのショートケーキ(写真)。
これは6号ホールで4200円(ホッとします)。 
私はここの洋なしのタルトの方が好きなのですが。

No.3は代官山小川軒のカスタードプリン(315円)。
レーズンウィッチで有名な小川軒のプリン、これは知っています。
バニラビーンズの黒点がポツポツついていて素朴な味が美味しい。


No.4は赤坂しろたえのシュークリーム(170円)そしてレアチーズケーキ(250円)。
学生時代の頃から大好きでした。
赤坂一ツ木通りのしろたえのカフェでよくお茶したものです。
小さめの柔らかなシュークリームと、やはり小さな四角いチーズケーキ。
いまだにこんな値段というのも素晴らしい。
(最近食べたしろたえのレモンタルト)

あとは自由が丘モンブランのモンブラン、
目黒のマッターホーンのダミエ、東京會舘のマロンシャンテリーなどと続くのですが、
ベスト10に入っているのは知ってる味が多い中でNo.1だけは。
ちょっと悔しい…

海外に行く度、日本のケーキというのはなんて美味しいのだろうと思います。
繊細で洗練されていて、お花畑みたいに美しくて。
ふわふわのスポンジに生クリーム、新鮮な果物を乗せたいわゆるショートケーキというのは
あまり見たことがないと思ったら
婦人画報によると、これは日本オリジナルのケーキであるらしい。
であるなら余計に、ベスト1にはもっと一般的な、
手に入りやすいものを選んでほしかったなあ…

「日本人のように個性豊か」

$
0
0
久しぶりに米原万里の「ロシアは今日も荒れ模様」を読んで
次の民族ジョークに笑ってしまいました。


「理想的な人間像とは?」
「イギリス人のように料理がうまく、フランス人のように外国人を尊敬し、
ドイツ人のようにユーモアにたけ、スペイン人のように働き者で、
イタリア人のように自制心に優れ、アメリカ人のように外国語が得意で、
中国人のように高い給料を貰い、日本人のように個性豊かで、
ロシア人のように酒を控え目に飲む人のことです。」
(ロシア小咄集「独裁者たちへ!」より)


ついでに。
昨日、シーツを洗おうとベッドの布団をめくったら
タロウのおもちゃがゴロゴロと。
タロウ、寝る時にいつもおもちゃを咥えてくるのです。
目や鼻が一部なくなっていますが、タロウの大事な友達です。

Viewing all 2157 articles
Browse latest View live




Latest Images